2020年1月25日発行 93号

　新年明けましておめでとうございます。

令和2年の輝かしく希望に満ちた新年を迎えられ、謹んでお慶びを申しあげます。

　平素より各地域において飲食業界の発展、繁栄に向けてご尽力をいただいている各支部組合員の皆様には、そのご努力に対し敬意を表する次第です。また、東京都飲食業生活衛生同業組合の諸事業・諸活動についても、一方ならぬご支援・ご協力を賜り衷心より厚く御礼申しあげます。

　昨年を振り返りますと、私たちの心に深く残る大きな出来事がありました。喜ばしいことの一つが、天皇陛下が御退位し皇太子殿下が御即位する皇位継承が行われたことです。5月1日には改元が行われ、平成から新元号の令和になり、新時代の幕が開けました。この皇位継承に関する一連の儀式等には、ＴＶ各局を始めとするメディア関係では、特別番組や特集記事を組むなど、慶賀の気持ちを表しました。また、国の内外を問わず多くの方々が、この諸行事について高い関心を持ち注視しておりました。

　反面、厳しいことの一つが、１０月1日から消費税が従来の８％から１０％へ2％アップの増税が行われたことです。そのうえ、軽減税率の対象範囲があまりにも複雑な仕組みであるため、消費者だけでなく、私たち生活衛生同業組合の組合員店舗においても、混乱が生じておりました。今回の増税により、大半が小規模事業者である飲食業界では、それぞれの店舗の経営状況が更に厳しさを増し、悪化の道を辿るのではないかと懸念されております。

　この大きな要因に加え、本年4月からは改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の施行により、たばこの煙による健康被害を防ぐための動きが顕著化することで、組合員の皆様に厳しい追い打ちが掛けられるなど、心配の種は尽きません。

　しかし、その一方でたいへん嬉しい話題もあります。本年7月にオリンピックが、8月にはパラリンピックが東京で開催されます。この世界的ビッグイベントにより多くの外国人が日本を訪れ、その結果として日本経済全体が上向き、停滞気味の飲食業界が活性化するための呼び水になることを大いに期待しております。

　さて、私たちの飲食業関連業界が抱える問題として、経営者の高齢化や後継者難に加え、深刻な人手不足等の影響により休・廃業を余儀なくされている現状があります。更には、材料費等の高騰などを価格に転嫁できない現実もあり、小規模事業者が多い飲食業界では、極めて厳しい経営環境に直面していることも大きな問題となっております。

　東京都飲食業生活衛生同業組合としては、このような現下の状況を常に認識し、個々の組合員の活力向上や事業の発展、各支部の充実、強いては地域経済の発展に繋げるには何が必要であるかを考えなければならないと思います。街の賑わい性創出、地域の活力向上等に不可欠なのは、まさに私たちの料理飲食業界です。常に最善の方法を模索しながら組合運営に努力してまいります。

　引き続き、皆様の一層のご支援とご協力を心からお願い申しあげますとともに、新たな年が東京都飲食業生活衛生同業組合の皆様にとって、幸多き素晴らしい一年となりますよう、心からご祈念申しあげます。